小学生並みの日記

肩肘張らずに語ろう

セックス嫌いな若者たち

 

セックス嫌いな若者たち (メディアファクトリー新書)

セックス嫌いな若者たち (メディアファクトリー新書)

 

セックスを嫌悪すると答える人の割合が、特に若者の間で増えているらしい。

草食系という言葉のイメージとは裏腹に、性欲は相変わらずあるのだが、オナニーで十分でセックスに至らないという人が増えているみたい。

 

 

セックスするお金がない

コンドームをつけても、妊娠する可能性は0%にはならない。もし、妊娠した場合には出産・子育て、あるいは中絶に大きなコストがかかる。避妊のコストに加え、ホテル代を含めたデート代もかかる。セックスにはお金がかかるものだという認識が意外と忘れられている。

 

仕事で疲れ果てて、その気になれない。

本書で興味深い統計データがでている。週49時間以上の労働で、セックスレスのカップルの割合が増えるというもの。週休二日なら、一日だいたい2時間以上、月36時間以上の残業にあたる。多くの人が該当してしまう数字だと思う。

 

アダルトビデオの悪影響

昔に比べてネットが発達し、アダルトな情報に気軽にアクセスできる環境が出来上がった。その結果、実体験がないものの、頭でっかちに知識だけ大量に蓄えている人が増えているという。性に関して耳年増になり、セックスのことはひととおりわかったような気になるという。

ネットの情報は興味本位のものが多く、それを鵜呑みにした結果、セックスにうんざりし、汚らしい、気持ち悪いといったセックスを否定的にとらえる傾向が増えている。

また、セックスの教科書というものがないため、アダルトビデオを参考にするという人が多い。アダルトビデオは普通のセックスではない、あくまで娯楽としてとらえるべきであるし、彼らは一応プロである。アダルトビデオのように無理な体位を取らされたり、体を雑に扱われてセックスを嫌いになる女性もいる一方、アダルトビデオ通りにいかないと悩む男性を生んでいるという。

 

アダルトビデオの影響に関しては、僕も思うところがある。

人間の欲望は、欲望の対象との距離が遠いほど大きくなると、ボードリヤールは言っている。高級なクルマや時計などは、価格が高くて手に入りにくいがゆえに欲しいと思わせる効果があるという理論だ。アダルトな情報に関しても、アダルトな情報は秘匿され、手に入りにくかった時代から、見るだけなら簡単に手に入る時代になってしまったがゆえに、欲望の炎は小さくなったのだと思う。