【感想】シェイプオブウォーターのここがエライ
みてきました。
エライところが3つあるので語ります。
エロいのがエライ
イライザがエロくて良かったです。
後述しますけど、表現上必要なエロでした。うん。
バケモノとセックスするのがエライ
シェイプオブウォーターは、人間とバケモノが恋をする話といえます。
しかし、従来の話のパターンとはひと味違います。
美女と野獣は、野獣の本当の姿はイケメンで、人間同士だ良かったねという話。
シュレックは、フィオナ姫の本当の姿は化け物で、バケモノ同士だよかったねという話。
つまり我々人間は、多様性を許容する世界を!とか、差別はよくない!とかいいつつも、同じ種族ということにどうしてもこだわってしまうのです。
そして、種族が違う場合はプラトニックな恋愛(肉体関係のない恋愛)として表現してしまいがちです。
(ここにあげているのはアニメなので、露骨に性的な表現をだせないというのはもちろんあります。)
この点、シェイプオブウォーターは素晴らしいです。
人間とバケモノで、思いっきり異種間でセックスするというのが最高です。
これこそが手加減なしの、多様性のある愛の表現ってやつじゃないでしょうか。
水はどんな形でもとりうるように、愛の形も多様なのです。
ラストでイライザは海の中で生きられるように変化を遂げ、同種に近づいたことは示唆されますが。
それがなかったとしても、この二人は愛し合い、セックスをする関係になったという事実。これが素晴らしい。
R-15指定までしてこの描写をいれる思い切った決断。
そこにシビれる憧れる。
障害は100%不幸か?
イライザには声が出せないという障害があります。
障害は彼女にとって100%マイナス方向に働くのでしょうか?そうではありません。
イライザは声が出せないゆえに、唯一、半魚人と心を通わせることができるようになります。
健常者じゃないゆえに、イライザは半魚人と関係をつくることができたのです。
マイノリティはイライザだけではありません。
例えば、絵描きのジャイルズ。ジャイルズはホモです。
そしてその立場ゆえに、イライザの弱者ゆえの立場に共感できました。
弱者には、同じ境遇の弱者の気持ちが分かる。
障害は悪いことばかりではない。という話だと思います。
余談ですが、昔、障害のある子どもをもった母親が
「障害をもったこの子がいたおかげで、私はいろんな人と出会うことができた。」
と語っていたのを聞いたことがあります。
その時は、「ふーん、そんなもんかなぁ。」なんて思っていたのですが。
今回、シェイプオブウォーターをみて、すこし腑に落ちたような気がします。