小林さんちのメイドラゴン第13話(最終回)感想
「トールっていい子じゃん!しかもさ、メイドなんだぞ!分かってんのか!?」
「私のメイドをもっていくな!」
この話、つまり、こういうことですよね。
「人はメイドに生まれるのではない。メイドになるのである」
漫画:エマ(うろ覚え)
1話のトールは、洗濯は口、料理は尻尾、洗濯物の乾燥の邪魔だからと雲を消し飛ばしたり、人間社会のルールも、メイドのなんたるかも分かってませんでした。
そこから12話かけて、家事を120%こなし、料理もコーヒーも、エルマや小林さんに褒められるレベルに。13話ではコーヒーを一回蒸らしてからドリップしてましたね。こまかいなぁ。
小林さんのメイドへの凝りっぷりはもはや言わずもがなですが、第12話でも語ってました。
「いい?メイドっていうのは単なるお手伝いさんじゃないの。本来はハウスメイドとか、ランドリーメイドとか役割が違って、なるのにだって訓練が必要で、そこらのメイドカフェとはわけが・・・」
とか語っちゃうぐらい、こだわりがある小林さんが認めたってことで。
トールはそれだけメイドになるために頑張ったってことなんでしょう。
トールはメイドに ”なった” んですね。
今回、13話ではトールがいなくなることで、精神的にも、物質的にも、家でのトールのかけがえのなさを小林さんは感じます。
この散らかった部屋とか、出来合いの弁当とビールとか、疲れきった小林さんとか、見てて悲しくなりました。
父子家庭って、マジきついですよね。
母親不在は、子供だってつらい。家に帰ったらひとりですもんね。
カンナちゃんが才川に甘えるところは、うるっときました。
んで、トールのお父さんがきて、ドラゴンの世界に戻ってきなさい、って言うんです。
寿命が違うとか、人間社会に干渉してはいけないとか、色々理屈つけてますけど、結局これもエマと同じ構図なんですよ。
エマっていうのは、上流階級の紳士であるウィリアム・ジョーンズ君が、下流階級のメイドのエマと恋に落ちちゃって、上流お父様に「ダメ!」って言われる話なんです。
つまり、ベースは
「上流種族ドラゴンは、劣等種族人間と好きあっちゃダメ!」
「劣等種族の人間社会で、生活するなんてもっての他!上流世界に帰ってきなさい!」
っていう話なんですよね。
そして、そこから先が違う。
エマのほうは、最終的には
「じゃあ、下流メイドであるエマが、上流紳士の奥さんにふさわしいように” なれば ” 文句ないよね」
って方向に進みます。下が上に合わせる方向。
小林さんちのメイドラゴンのほうは逆で、
「上流ドラゴントールが、劣等種人間にふさわしいように、人間社会のルールを学べばいいよね。」
って方向です。上が下に合わせるって方向。
劣等種といっても、その文化まで劣等ってものではないのには注意ですね。
むしろルールは、互いの利益のためには素晴らしい。(この辺は第7話感想を参照)
小林さんちのメイドラゴンには、異種間コミュニケーションってテーマがあると思ってますが、それを最終話でまとめた感があります。
トールパパの主張は、こう。
「ドラゴンと人間は違う種族だから、分かり合うことはできない。」
小林さんは、「それは短絡的だ」と主張した上で。
「違いを分かった上で、折り合いをつけていかないと、物事はすすまない。」
「トールは人間社会のルールを学び、人間社会で生活できるようになった。つまり、折り合いをつけた。そこまで娘はやってるんだから、あとは親であるアンタは、子供のことを信じてあげろよ。」
「身分差を乗り越えて結ばれるだけ」という構図から、一歩先をいった感じがします。
最後まで大人ですね、小林さん。ステキ。
あとは、本当に感想。
小林さんが、メガネ破壊されてからの言葉はいいですね。
トールがいない生活は、もう嫌だ っていうフラッシュバックからの、圧倒的力に立ち向かって、トール好き!っていう告白もいいし。
あのオクテな小林さんがここまでやってるんですよ!?素晴らしいですね、グッときます。
あとこれね!スカート穿いてて、塀を乗り越える時は両腕を支点にして、こうね!
わかってるよ!
言いたいことは、こんなところでした。
小林さんは、自分の中ではかなりヒットだったなぁ。面白いキャラでした。
アニメを1クール通して見るって久々でしたね。かなり楽しめました。
漫画のほう買ってみようかなぁ・・・。
・伏線コーナー
◯ナズナ
「あなたに私の全てをささげます。」
◯第12話に唐突に出てきた、メイドになりたい盗賊の女の子
「自由を手にしたら、メイドになるの!」
「私が選ぶの!自由に選ぶの!」とか言ってた子
自分の進路は自分で選ぶ。何かに強制されずに! っていう伏線でしょう。
そう考えないと、なんで挟んだのか分からないエピソードだなって、思います。